Yukina's Orangedays Diary

最近は子育て記録です。

わたしと、寝たきりだった祖父のこと

先日祖父が亡くなりました。

 

わたしと祖父は仲が悪いとかそういうのは全然ないんだけど、かなり疎遠になっていました。

亡くなったのに悲しみとか全然なくて、むしろホッとした気持ちになってしまい、そんな気持ちになることに罪悪感が募って、書く気はなかったけど、覚えておくために書くことにしました。

 

亡くなった母方の祖父は91歳の大往生と言いたいんですが、ここ5年、いや、それ以上、いわゆる『寝たきり老人』でした。

 

わたしとその母方の祖父は、一緒に暮らしていた期間もあるんだけど、疎遠な期間が長かったのもあって、祖父には全然懐いてはいません。

 

脳梗塞で倒れて入院して、それからずっと病院生活でしたが、それでも最初は回復しました。

お見舞いも本当にたまにしか行かなかったけど、それでも行くとおしゃべりはできていたし、祖父も嬉しそうで、わたしも嬉しかったです。

 

年齢が年齢だから、身体の自由がだんだんきかなくなるのは仕方ないし、それでもお話はできる、ずっとそんな状態が続いていると思い込んでいました。

母は頻繁にお見舞いに行ってたけど、わたしはしばらくお見舞いにも行っていません。

 

ある日、母に連れられてお見舞いに向かいながら、「久しぶりに話すの緊張するな、認知症も進んできていたので、わたしのことがわかるかな?」なんて考えていたのに、それどころか本当に寝たきり老人になっていました。

 

目もどこを見ているかわからない、しゃべることなんてできない、鼻には管を通した状態になっていて、このときになって初めて、もっと祖父のお見舞いに行けば良かった、しゃべれるうちにしゃべっておけば良かったと後悔しました。

 

このときは「もっと会いに行こう」と思っていたのに、こんな後悔も日々の生活をしているとあっという間に薄れていって、また会いには行かなくなりました。

 

時々フッと思い出しては、いつまでこんな状態なんだろう不安になり、お見舞いに通い続ける母を見送り、こんな状態になってまで、生きる意味って何だろうなんて、祖父の状態をたいして知りもしないのに、そんな無責任なことを考える日々。

 

なので、今回母から「おじいちゃんが亡くなった」という連絡を受けたとき、悲しみより先にホッとした気持ちが出てきてしまいました。

会いに行かない罪悪感とか、そういったのから解放されるなぁって。

 

お葬式にも「妊婦だし、急だし、遠方だから来なくても良いよ。落ち着いてかお墓参りに一緒に行こう」と母に言われたけど、わたし自身がすっきりできなかったので、お葬式に行きました。

 

でも、これってなにか意味があったんだろうか。

お葬式だけに行くぐらいなら、生きている祖父にもっと会いに行くべきだったし、亡くなってからお葬式にだけ参列して、結局自己満足でしかない。

 

お葬式は家族葬だったので、参列者が多いわけでもないし、無事に終わったけれど、家族の場で祖父の話題をわたしは口にはできませんでした。

 

最後まで祖父と向き合い続けた母は、「おじいちゃんはこうだった、ああだった」と思い出話をしてくれたけど、わたしにはそんな思い出を語るような資格がない気がして、黙って聞くことしかできませんでした。

 

ホッとしたのは母も同じだと思うけど、やっぱりわたしにはホッとする権利もないです。

なにもしてこなかったんだから。

 

祖父は病院にいたので、介護が大変ということはなかったんだけど、寝たきりというのは、疎遠に拍車をかけてしまい、誰も幸せになれないものなんじゃないかな。

でもどうしようもないもんね。

 

わたしは父方の祖父母ももう亡くなったんですが、そちらについても疎遠でした。
ただ、父方の方は寝たきりになることもなく、90歳過ぎまで元気で、本当に大往生だったので、わたしも罪悪感とかそんなに感じることはなかったです。

 

わたしももうすぐ子どもが産まれますが、わたしの両親(子どもから見た祖父母)が遠方なので、年に数回会うぐらいの関係性になってしまうと思います。

おじいちゃんっ子、おばあちゃんっ子になるのは難しいし、それも仕方ないことなんだけど、こうやって書くと全部仕方ないことばっかりで、自分の将来のことを考えても不安です。

 

こんな、悲しみはないのに、罪悪感ばかり募るお葬式でした。

わたしにできたことって、いったい何だったんだろうね。

 

だけど言えることは、最後まで祖父と向かい合い続けた母がすごいということです。

寝たきりの祖父のところに通い続けるのは本当につらかったんじゃないかと思います。

それをもっと支えてあげれば良かった。

 

わたしが自分の父母がそんな状態になったら、ちゃんと対応してあげることができるだろうか。

また同じ後悔を繰り返しそうです。

 

「この後悔を繰り返さないようにしよう」とか、「せめてちゃんとお墓参りに行こう」とか、きれいな言葉でまとめようと思ったけど、どうしてもウソっぽくなってしまうので、中途半端だし、なにもすっきりしていないけれど、ここで終わっておきます。