真保裕一『奪取』感想 爽快感あふれる最高の偽札作り!
真保裕一『奪取』上・下巻を読みました。
最高におもしろかった~~~!!!!!
久しぶりの一気読みです。
偽札を作って敵に復讐する話です(ざっくり)。
なにが最高かと言うと、まず登場人物がみんなかっこいい。
主人公の道郎はヤクザに全然ひるまないでむしろからかっちゃうぐらいの度胸なのがかっこいいし、頭も良くて、情にも厚い。
パソコンや機械の技術を活かして偽札作りに没頭する姿も惚れぼれしちゃうし、これはおまけだけど女にも一途。
いやもうかっこよすぎるでしょ…。
相棒の雅人もドジだけど物事にまっすぐ突き進むところ大好きだし、一度は裏切ってしまった道郎のところに戻ってくるところなんてもう泣けちゃう。
幸緒も気持ちが良いぐらいサバサバしていて、この子もまた一途でかわいい。
偽札作りに全面協力!最高の彼女じゃないですか…。
じじいのコウさんは登場シーンがかっこよすぎてですね。
あの「なにもかもお見通しだぜ」という登場の仕方に感激してしまった。
最後までワイルドでかっこよかった涙。
登場人物が魅力的なのはもちろんなんですけど、偽札作りの工程がめちゃくちゃ詳しく書かれている小説で、これがまたすごくおもしろかった。
詳しすぎて途中流し読みになっちゃったけど(笑)、やっぱりあの詳しさがないと小説に真実味が出ないし、なければならない描写だと思います。
あと良かったのは、なんといっても物語の爽快感かな。
ヤクザを打ち負かしていくところがめちゃ気持ちいいし、前向きな登場人物たちも読んでいて元気が出てくる。
偽札作りの工程を一つづつクリアしていくところもまた爽快!
ラストの終わり方も爽快で、道郎たちはお金持ちになることを目的としているわけじゃなくって、本当に偽札作りそのものを楽しんでいるんだなと。
読みながら自分の仕事への姿勢について考えてしまった(笑)。