Yukina's Orangedays Diary

最近は子育て記録です。

小説 荻原浩著『二千七百の夏と冬』感想

小説読んだの久しぶり。

 

本屋さんで「夏に読みたい文庫!」みたいな特集をしてて、ジャケ買いしました。

 

上巻あらすじAmazonより↓

ダム工事の現場で、縄文人男性と弥生人女性の人骨が発見された。二体はしっかりと手を重ね、互いに向き合った姿であった。三千年近く前、この男女にいったいどんなドラマがあったのか?新聞記者の佐藤香椰は次第に謎にのめりこんでいく―。紀元前七世紀、東日本。谷の村に住むウルクは十五歳。野に獣を追い、木の実を集め、天の神に感謝を捧げる日々を送っている。近頃ピナイは、海渡りたちがもたらしたという神の実“コーミー”の噂でもちきりだ。だが同時にそれは「災いを招く」と囁かれてもいた。そんなある日、ウルクは足を踏み入れた禁忌の南の森でカヒィという名の不思議な少女と出会う。

 

めちゃくちゃおもしろかったです。

 

縄文時代の言葉っぽくするためのカタカナ表記や、ピナイという村の様子、動物たちの動きなどが最初はすごく読みづらかったんだけど、上巻の中盤ぐらいですっかり慣れて、のめり込んで一気に読みました。

 

様々な謎が気になって読むのをやめられない、歴史ファンタジーのおもしろさ

 

主人公ウルクが発見した大きな獣の正体は何なのか、コーミーは実在するのか、カヒィという少女は何者なのか、まるでファンタジーのようなんだけど、縄文時代と弥生時代の狭間のお話なんだよね。

 

この話ってどこまで史実に基づいてるんだろう。

縄文時代と弥生時代について深く考えたことなんて今までなかったけど、すごく長い時代なんだよね。

その様子を垣間見られるのがとても新鮮で、勉強にもなるし、興味深い。

 

コーミーが米のこととわかったときは、ちょっと感動してしまいました。

弥生時代だもんね、米の伝来だよね。

 

この歴史的調査を現代の新聞記者がするんだけど、これが良いアクセントになっていて読みやすいです。

 

もっと現代と関連付けても良いんじゃないかなとは思うけどね。

香椰と勲の恋愛話いる?笑

 

ウルクの成長と恋愛

 

主人公のウルクがとても魅力的でね。

最初はへなちょこだったんだけど、村を追い出されるあたりからグングン成長して、キンクムゥを倒すところなんて緊迫感すごい。

 

このウルクが最初は村の女の子パナに恋心を寄せてるんだけど、成長して、村を出て、弥生人のカヒィと出会って、結ばれる……この成長の過程が丁寧に描かれていてとても好きです。

 

最後は2人でフジミクニを出ていって、あのラストにつながるんだけど、少年少女らしい無鉄砲さと純粋さで泣けちゃった。

 

 

こういった歴史を絡めたファンタジーってわたしは大好きです。

ただの夢物語じゃないところがリアリティがあって楽しい。

 

育児の合間にまた何か読もう。